原文
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AIに仕事を奪われるのではなく、仕事の「重心」が動く
「AIに仕事を奪われますか」。講演のあとで、いちばんよく受ける質問だ。
答えは毎回同じにしている。奪われるのは仕事そのものではなく、仕事の中の「作業」だ。そして作業が抜けたあとに残るものが、これからの仕事の中身になる。
作業はどんどんAIに移っていく
ある会社で、営業チームの1週間を一緒に記録したことがある。提案書の作成、議事録、メールの返信、見積もりの計算。並べてみると、勤務時間のおよそ6割が、何かを「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった。
この6割は、AIがいちばん得意なところだ。実際にそのチームでは、議事録と提案書の下書きをAIに任せただけで、1人あたり週に8時間ほどが浮いた。
ここまでは、よく聞く話だと思う。大事なのはその先だ。
浮いた時間で、何をするか
浮いた8時間の使い方は、人によってはっきり分かれた。
ある人は、空いた時間でさらに資料を作った。AIのおかげで、前より速く、前より多く。ところが3か月たっても、成績はほとんど変わらなかった。
別の人は、空いた時間でお客さんに会いに行った。電話をかけ、話を聞き、困っていることをメモした。そのメモをAIに渡して、次の提案を組み立てた。この人の成績は、半年で1.5倍になった。
違いは、AIの使い方のうまさではなかった。浮いた時間を「作業」に戻したか、「人にしかできないこと」に回したか。そこだった。
人にしかできないこと
では、人にしかできないことは何か。私は三つあると考えている。
一つ目は、問いを立てること。何を解くべきかを決めるのは、まだ人の仕事だ。AIは聞かれたことには答えるが、何を聞くべきかは教えてくれない。
二つ目は、責任を持つこと。AIが書いた提案書でも、お客さんの前で「これでいきましょう」と言うのは人だ。判断の重さを引き受けることは、任せられない。
三つ目は、関係をつくること。信頼は、時間をかけて会い、約束を守ることでしか生まれない。
重心を動かす
AIは、仕事を奪うのではない。仕事の重心を、作業から、問い・責任・関係のほうへ動かしていく。
だから、AIを使えるかどうかより、浮いた時間をどこに置くかが問われる。明日、AIに一つ作業を渡したら、空いた時間を、問いと人のために使ってみてほしい。
AIは仕事を奪うのか。いいえ、仕事の「重心」を動かすのだ
「AIに仕事を奪われますか」。
講演のあとで、いちばんよく受ける質問だ。
私の答えは、毎回同じにしている。
奪われるのは仕事そのものではない。仕事の中の「作業」だ。
ここでいう作業とは、何かをまとめたり、書き直したり、転記したりする部分のこと。仕事は、その作業を含んだ全体だ。
そして、作業が抜けたあとに残るもの。それが、これからの仕事の中身になる。
勤務時間のおよそ6割は「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった
ある会社で、営業チームの1週間を一緒に記録したことがある。
提案書の作成。議事録。メールの返信。見積もりの計算。
並べてみると、勤務時間のおよそ6割が、何かを「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった。
この6割は、AIがいちばん得意なところだ。
実際、そのチームでは、議事録と提案書の下書きをAIに任せただけで、1人あたり週に8時間ほどが浮いた。
ここまでは、よく聞く話だと思う。
大事なのは、その先だ。
差を分けたのは、AIの使い方のうまさではなく、浮いた時間の置き場所だった
浮いた8時間の使い方は、人によってはっきり分かれた。
ある人は、空いた時間でさらに資料を作った。AIのおかげで、前より速く、前より多く。
ところが、3か月たっても、成績はほとんど変わらなかった。
一方で、別の人は、空いた時間でお客さんに会いに行った。電話をかけ、話を聞き、困っていることをメモした。そのメモをAIに渡して、次の提案を組み立てた。
この人の成績は、半年で1.5倍になった。
「それは、AIをうまく使いこなしたからでは」と思うかもしれない。
でも、違いは、AIの使い方のうまさではなかった。
浮いた時間を「作業」に戻したか。「人にしかできないこと」に回したか。
言い換えれば、浮いた時間の「置き場所」の違いだ。
ただし、これは私が一つのチームで見たことだ。
人にしかできないことは、三つある
では、人にしかできないことは何か。
私は、三つあると考えている。
一つ目は、問いを立てること。
何を解くべきかを決めるのは、まだ人の仕事だ。AIは、聞かれたことには答える。しかし、何を聞くべきかは教えてくれない。
二つ目は、責任を持つこと。
AIが書いた提案書でも、お客さんの前で「これでいきましょう」と言うのは人だ。判断の重さを引き受けることは、任せられない。
三つ目は、関係をつくること。
信頼は、時間をかけて会い、約束を守ることでしか生まれない。
先ほどの、お客さんに会いに行った人を思い出してほしい。電話をかけ、話を聞き、困っていることをメモするところは自分でやり、そのメモをAIに渡して次の提案を組み立てていた。浮いた時間を、人に会うほうへ回していたのだ。
重心を動かす
AIは、仕事を奪うのではない。
仕事の重心を、作業から、問い・責任・関係のほうへ動かしていく。
だから、「AIを使えるかどうか」より、「浮いた時間をどこに置くか」。問われているのは、こちらのほうだ。
明日、AIに一つ作業を渡したら、その空いた時間を、問いと人のために使ってみてほしい。
あなたの1週間の、どこに重心があるだろうか。
AIは仕事を奪わない。仕事の「重心」を動かす。
「AIに仕事を奪われますか」
講演のあと、いちばんよく聞かれる質問だ。
僕の答えは、毎回同じ。
奪われるのは、仕事じゃない。
仕事の中の「作業」だ。
そして、作業が抜けたあとに残るもの。
それが、これからの仕事の中身になる。
今日はこの話をしたい。
営業チームの勤務時間、6割は「作業」だった
ある会社で、営業チームの1週間を一緒に記録したことがある。
提案書の作成。
議事録。
メールの返信。
見積もりの計算。
並べてみると、どうなったか。
勤務時間のおよそ6割が、何かを「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった。
で、この6割。
AIがいちばん得意なところなんですよね。
実際そのチームでは、議事録と提案書の下書きをAIに任せた。
それだけで、1人あたり週に8時間ほどが浮いた。
週8時間。
ただ、ここまではよく聞く話だと思う。
本題はここからだ。
浮いた8時間で、何をしたか
浮いた8時間の使い方は、人によってはっきり分かれた。
ある人は、空いた時間でさらに資料を作った。
AIのおかげで、前より速く。前より多く。
でも、3か月たっても成績はほとんど変わらなかった。
別の人は、空いた時間でお客さんに会いに行った。
電話をかける。
話を聞く。
困っていることをメモする。
そのメモをAIに渡して、次の提案を組み立てた。
この人の成績は、半年で1.5倍になった。
「AIの使い方がうまかったんでしょ?」と思うかもしれない。
違う。
差は、そこじゃなかった。
浮いた時間を「作業」に戻したか。
「人にしかできないこと」に回したか。
分かれ目は、そこだった。
人にしかできないこと。僕の答えは三つ
じゃあ、人にしかできないことって何なのか。
僕は三つあると考えている。
①問いを立てること
②責任を持つこと
③関係をつくること
一つずつ話す。
一つ目は、問いを立てること。
何を解くべきかを決める。
これは、まだ人の仕事だ。
AIは、聞かれたことには答える。
でも、何を聞くべきかは教えてくれない。
二つ目は、責任を持つこと。
AIが書いた提案書だとしても。
お客さんの前で「これでいきましょう」と言うのは人だ。
判断の重さを引き受ける。
ここは任せられない。
三つ目は、関係をつくること。
信頼は、時間をかけて会い、約束を守ることでしか生まれない。
近道は、ない。
重心が動いた先に、何を置くか
AIは、仕事を奪わない。
仕事の「重心」を、作業から、問い・責任・関係のほうへ動かしていく。
だから問われるのは、AIを使えるかどうか、だけじゃない。
浮いた時間を、どこに置くかだ。
明日、AIに作業を一つ渡してみてほしい。
そして空いた時間を、問いと人のために使ってみてほしい。
「AIに仕事を奪われますか」。奪われるのではなく、仕事の「重心」が動くということ。
「AIに仕事を奪われますか」。
講演のあとで、いちばんよく受ける質問だ。
答えは、毎回同じにしている。
奪われるのは仕事そのものではなく、仕事の中の「作業」だ。そして、作業が抜けたあとに残るもの。それが、これからの仕事の中身になる。
*
ある会社で、営業チームの1週間を一緒に記録したことがある。
提案書の作成。議事録。メールの返信。見積もりの計算。
並べてみると、勤務時間のおよそ6割が、何かを「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった。
この6割は、AIがいちばん得意なところだ。作業は、どんどんAIに移っていく。実際にそのチームでは、議事録と提案書の下書きをAIに任せただけで、1人あたり週に8時間ほどが浮いた。
ここまでは、よく聞く話だと思う。
大事なのは、その先だ。
*
浮いた8時間の使い方は、人によってはっきり分かれた。
ある人は、空いた時間でさらに資料を作った。AIのおかげで、前より速く、前より多く。ところが、3か月たっても、成績はほとんど変わらなかった。
一方で、別の人は、空いた時間でお客さんに会いに行った。電話をかけ、話を聞き、困っていることをメモした。そのメモをAIに渡して、次の提案を組み立てた。
この人の成績は、半年で1.5倍になった。
では、その分かれ目は何だったのか。
AIの使い方のうまさではなかった。浮いた時間を「作業」に戻したか、「人にしかできないこと」に回したか。
そこだったのだ。
*
では、人にしかできないこととは。
私は、三つあると考えている。
一つ目は、問いを立てること。何を解くべきかを決めるのは、まだ人の仕事だ。AIは、聞かれたことには答える。けれど、何を聞くべきかは教えてくれない。
二つ目は、責任を持つこと。AIが書いた提案書でも、お客さんの前で「これでいきましょう」と言うのは人だ。判断の重さを引き受けることは、任せられない。
三つ目は、関係をつくること。信頼は、時間をかけて会い、約束を守ることでしか生まれない。
問い。責任。関係。
*
AIは、仕事を奪うのではない。
仕事の「重心」を、作業から、問い・責任・関係のほうへ動かしていく。
だから問われるのは、AIを使えるかどうかより、浮いた時間をどこに置くか、だ。
「AIに仕事を奪われますか」。その問いへの私の答えは、毎回同じだ。
明日、AIに一つ作業を渡したら、空いた時間を、問いと人のために使ってみてほしい。
AIは仕事を奪うのか──抜けるのは「作業」、動くのは仕事の「重心」だ
「AIに仕事を奪われますか」
講演のあとで、筆者がいちばんよく受ける質問がこれだ。
答えは毎回同じにしている。奪われるのは仕事そのものではない。仕事の中の「作業」だ。そして作業が抜けたあとに残るものが、これからの仕事の中身になる。
では、作業が抜けると現場では何が起きるのか。浮いた時間はどこへ行くのか。そして、人の手に残る仕事とは何なのか。今回は、筆者が実際に記録した営業チームの例をもとに、順に見ていこう。
勤務時間の「6割」は、AIがいちばん得意な作業だった
まず、筆者が記録した現場の数字を確認しておこう。
筆者は以前、ある会社の営業チームの1週間を、一緒に記録したことがある。提案書の作成、議事録、メールの返信、見積もりの計算。こうした仕事を1つずつ並べてみた。結果、勤務時間のおよそ6割が、何かを「まとめる」「書き直す」「転記する」作業だった。
そして、この6割こそ、AIがいちばん得意とするところである。実際、そのチームでは議事録と提案書の下書きをAIに任せただけで、1人あたり週に8時間ほどが浮いた。
ここまでは、よく聞く話だと思う。
だが、大事なのはその先だ。
浮いた「8時間」の使い道で、結果ははっきり分かれた
浮いた8時間を何に使ったか。これが、人によってはっきり分かれた。
ある人は、空いた時間でさらに資料を作った。AIのおかげで、前より速く、前より多く。ところが3か月たっても、成績はほとんど変わらなかった。
別の人は、空いた時間でお客さんに会いに行った。電話をかけ、話を聞き、困っていることをメモした。そのメモをAIに渡して、次の提案を組み立てた。この人の成績は、半年で1.5倍になった。
両者の差は、AIの使い方のうまさではなかった。浮いた時間を「作業」に戻したか、「人にしかできないこと」に回したか。そこだった。
なお、これは筆者が記録した1つのチームの例で、数字はどの職場でも同じになるわけではない。
人にしかできないことは「3つ」ある
では、人にしかできないこととは何か。筆者は3つあると考えている。
1つ目は「問いを立てること」だ。何を解くべきかを決めるのは、まだ人の仕事である。AIは聞かれたことには答えるが、何を聞くべきかは教えてくれない。
2つ目は「責任を持つこと」だ。AIが書いた提案書であっても、お客さんの前で「これでいきましょう」と言うのは人である。判断の重さを引き受けることは、任せられない。
3つ目は「関係をつくること」だ。信頼は、時間をかけて会い、約束を守ることでしか生まれない。
AIは仕事を奪うのではない。「重心」を動かす
筆者の答えに戻ろう。
AIは、仕事を奪うのではない。仕事の重心を、作業から「問い」「責任」「関係」のほうへ動かしていく。
だからこそ、問われるのは「AIを使えるかどうか」より、浮いた時間をどこに置くか、なのだ。
明日、AIに作業を1つ渡したら、空いた時間を、問いと人のために使ってみてほしい。